不妊治療は、体だけでなく心にも負担がかかるもの。ときに、夫婦の温度差に悩むこともあるかもしれません。でも、少しの工夫と歩み寄りで、支え合える関係を育むことはできます。今回は、不妊治療で夫婦が協力するためのヒントをお伝えします。
1. 「話す時間」をつくる——お互いの気持ちを知ることから
治療が続くと、検査や結果に追われて「会話」が減ってしまうことがあります。
私も治療中、夫との会話が“報告”ばかりになっていた時期がありました。「次の通院はいつ?」「薬はどうだった?」——そんなやり取りばかりで、気づけば心がすれ違っていたのです。
そんなときに意識したのが、「結果」ではなく「気持ち」を話すことでした。
たとえば「今日は病院で少し落ち込んじゃった」とか、「あなたが一緒にいてくれて安心した」など、素直な気持ちを共有するだけで、ふたりの距離がぐっと近づきます。
ポイントは、“話す時間”を意識してつくること。
お茶を飲みながら10分でもいいんです。
不妊治療という長い旅の中で、会話は「心のメンテナンス」になります。
2. 「分担」ではなく「協力」の意識を持つ
不妊治療では、どうしても女性の身体的負担が大きくなりがちです。
通院、採血、投薬……。一方で男性側は、「自分には何もできない」と感じてしまうこともあるでしょう。
でも、できることは意外とたくさんあります。
たとえば——
- 通院に付き添う
- 家事を少し引き受ける
- 食事や睡眠を一緒に整える
- 経済的な計画を一緒に立てる
私の夫も、最初は「見守ることしかできない」と悩んでいました。
でも、通院の帰りに「お疲れさま、よく頑張ったね」と声をかけてくれるだけで、本当に救われたのを覚えています。
「協力」とは、役割を分けることではなく、「同じ方向を向くこと」なのかもしれません。
小さな思いやりの積み重ねが、ふたりの信頼を深めてくれます。
3. 「治療以外の時間」も大切にする
不妊治療を続けていると、生活の中心が「妊活」になってしまいがちです。
カレンダーを見てはスケジュールを合わせ、結果に一喜一憂して……。
それが続くと、心が疲れてしまいます。
だからこそ、「治療以外の時間」を意識的に過ごしてみてください。
おいしいご飯を食べに行く、映画を観る、ちょっとした旅行をする——そんな時間が、ふたりの関係をリセットしてくれます。
私たち夫婦も、結果が出ずに落ち込んでいた時期に「もう妊活の話は今日はナシ」と決めて温泉に行ったことがありました。
帰り道、笑顔が戻った夫の顔を見て、「この時間もきっと意味がある」と感じたのを今でも覚えています。
治療は人生の一部。
「夫婦で生きる時間」は、それ以上に大切なものです。
まとめ:ふたりで歩むから、道はやさしくなる
不妊治療は、ひとりで抱えるには大きすぎる試練かもしれません。
でも、夫婦で支え合いながら歩むことで、心の負担は少しずつ軽くなっていきます。
うまくいかない日があっても、言葉にできない気持ちがあっても大丈夫。
「ふたりで頑張っている」という事実が、もうすでに素晴らしいことです。
どうか、今日も無理せず、寄り添いながら。
この道の先には、きっと“新しい笑顔”が待っています。
コメント